光の射す方へ
家に着くと、私はピザのメニューが載ったチラシを歩太に渡した。
歩太は目をキラキラ輝かせながら、楽しそうに選んでいる。
「リカ、これとこれ、どっちがいい?」
そう言うと、2種類のピザを指差した。
「どっちでもいいよ?」
と私が答えると、歩太は、「う〜ん・・・」と悩み出した。
「半分、半分にしてもらう?」
私の言葉に、ぱっと顔を上げると、
「そんな事できんの?」
と、歩太はまた、目を輝かせた。
そんな歩太の頭を撫でると、私は歩太の希望通りのピザを注文した。
待ってる間、歩太は何度も、
「リカ、まだ?」
「リカ、ピザ、まだ?」
と聞いてくる。
「そんなにすぐに、出来ないよ〜!」
私が、笑って答えると、歩太は、何度も時計を見ていた。
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