光の射す方へ



3日後、歩太と私の休みが重なった日、私達は、早速、電気屋さんに来ていた。


歩太は、たくさんあるコンポをじっくり見て、ようやくお気に入りの一台を選んだ。



配達をお願いすると、私達は、街に出て、手を繋ぎ、久しぶりのデートをした。


街には、たくさんのカップル達が、幸せそうに、肩を寄せ合って歩いている・・・。



8月の暑い日差しの中、キラキラ光る太陽の下、歩太の隣で、笑っていられる事が、ホントに幸せだった。




「あゆ〜、プリクラ〜!」



私は、ゲームセンターを、指差した。



歩太は、少し眉間に皺を寄せると、そのまま、私の手を引いて、ゲームセンターを通り過ぎた。



そんな歩太の手を、強引に引っ張り、私はゲームセンターの、プリクラの機械の中に、歩太を押し込んだ。



ニッコリ笑って、歩太を見上げると、歩太はようやく、観念した。




.
< 176 / 254 >

この作品をシェア

pagetop