光の射す方へ



私は、窓の外の景色を、ずっと眺めていた。



どんどん変わって行く景色を見ていると、私の目に、大きな海が映った。



「キレイ・・・」



真っ青な空と、太陽の光を反射して、キラキラ光る海。



そこに広がっている世界は、日常の嫌な事や、考えたくない様な現実を、『どうでもいいや〜』って思わせてくれる・・・。




私は、肩にもたれてスヤスヤと眠る、歩太の頭を、そっと撫でた。



「歩太、ちょっと起きて」




歩太は、片目を開けて、私の顔を見た。


可愛いなぁ・・・。



「リカ、もう着く?」



「もうちょっとだよ!でも、ちょっと外見てみてよ!」




そして歩太も、外の景色に目をやると、その感動を、噛みしめる様に、



「・・・すげ〜・・・。」


と一言、小さく声を上げた。




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