光の射す方へ
履いていたサンダルを脱いで、海に足をつけてみると、とても気持ちがいい。
歩太も、靴を脱いで、ズボンを膝まで捲り上げると、海に入った。
手を繋ぎながら、波打ち際を歩き、時々来る大波に、はしゃぐ私達は、よくある恋愛映画のワンシーンの様で、普段なら、そんなベタなシチュエーションを、バカにしていた私も、実際やってみると、『かなりいいじゃん!!』なんて思っていた。
砂に相合い傘を書いてみたり、山を作ってトンネルを掘ったり、キレイな貝殻を探したり・・・。
私はスッカリその気になり、片っ端から、ベタなシチュエーションを満喫した。
「そろそろ行くか」
歩太の言葉を聞いて、時計を見ると、チェックインの時間は、とっくに過ぎていた。
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