光の射す方へ
私は、歩太の目の前に座ると、歩太の手を取った。
「歩太、話して?・・・何を考えてるの?」
歩太は、ゆっくり、今の気持ちを話してくれた。
「自分でも、分かんねぇ。・・・別に、リカが悪い訳じゃない。
ただ、何か、・・・おもしろくねぇんだ・・・」
私は、歩太をそっと抱きしめた。
「歩太、さっき怒鳴っちゃって、ごめんね?・・・ヤキモチ、妬いてくれたんだよね?
過去は、変えられないけど、これから先は、ずっと歩太だけだから・・・」
すると、歩太も私を抱きしめてくれた。
「これって、ヤキモチなの?」
歩太は自分の気持ちを確認する様に聞いてきた。
「そうだよ?機嫌直して?」
『う〜ん』と考えた歩太は、ニヤッと笑ってこう言った。
「一緒に、温泉入ってくれたら、機嫌なおる。」
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