光の射す方へ
光の射す方へ


歩太の元に帰ってからの、私達の生活は慌ただしく過ぎて行った。





私は『宝来リカ』になり、


歩太と、本当の家族になった。



そして、歩太は、『海賊』で、アルバイトから、社員になった。



私達は子供が産まれる前に、少し広めの部屋に引っ越した。


少しずつ買い揃えた、ベビーグッズが、その出番を待ちわびている様に、部屋中に溢れかえっている。






「歩太、行ってらっしゃい!」



「行ってきます」



玄関でキスをして、歩太を送り出す。



こんな普通の毎日が、本当に幸せで、私の心は満たされていた。





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