光の射す方へ
芽生えた気持ち
あのカラオケの夜以来、私は歩太と目が合わなくなった。
当然かもしれない。
私が無理に歩太を誘わなければ、
歩太は圭太に、あんなひどい事を言われる事もなかった・・・。
その後も、歩太に対する、圭太の態度は、とても冷たい・・・。
他のバイトの子と、わざと歩太に聞こえる様に、嫌味を言い、バカにする様に笑う。
「圭太っ!いい加減にしなよっ!小学生じゃないんだから!」
私が怒ったところで、あまり意味はない・・・。
「リカちゃん、またアイツの事、庇うの?あんなヤツの事、気にかける事ないって!」
圭太は、悪びれる事なく、笑顔で私にそう言う。
・・・同情。
圭太はきっと、私が歩太の事を気にするのは、同情なんだと、本気で思っているのだろう・・・。
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