光の射す方へ




「座ったら?」



ぼーっと立ち尽くしたままの私に歩太が声をかける。



私は、小さなテーブルの前に座った。



静か過ぎる部屋の中にいると、体が緊張していくの感じた。


「腹へらね〜?」


歩太が、緊張を断ち切るようにそう言った。


そう言えば、オムライスを食べたきり、何も食べていない・・・。




「うん。お腹すいた。」



私がそう答えると、歩太は立ち上がった。



「何か買いにいく?」



私達は部屋を出て、近くのコンビニへと向かった。




お茶とお弁当。

それと、「デザート!」と言って、シュークリームを買ってくれた。




帰り道、私はそっと歩太の手を握った・・・。



歩太は何も言わずに、握り返してくれた。




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