光の射す方へ
気が付くと、もう外は、うっすらと明るくなっていた。
「そろそろ、帰ろうかな・・・?」
私が立ち上がると、歩太は、
「送ってく」
って言って、携帯をポケットに入れた。
何だか、歩太のその行動がおかしかった。
歩太の家と私の家は、ゆっくり歩いて15分位の距離だった。
自転車だったらきっと10分、かからないね。
「ありがとう。ここだから。」
家の下に着いたら、私は、急に寂しくなった。
歩太は何も言わずに背中を向ける。
「歩太っ!」
私が歩太を呼び止めると、
歩太は、ゆっくりと振り返った。
「歩太、あの・・・今日、バイト大丈夫?
圭太の事・・・。」
「別にあんなの気にしてないよ。」
歩太はそう言うと、又背中を向けて帰って行った。
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