光の射す方へ
私は少し、早めに出勤する事にした。
圭太と美月に、私の気持ちを、ちゃんと言っておきたかった。
少し、緊張して、私は店に入った。
「リカっ!おはよ。」
美月は、すでに出勤していて、すごく心配そうに、私の元に駆け寄って来てくれた。
「美月、あの・・・昨日はごめんね。」
美月は、大きく首を横に振った。
私は、美月に今の自分の気持ちを話した。
歩太とみんなに仲良くなってもらいたい事。
でも、それが歩太にとって簡単じゃない事。
歩太は、本当はすごく繊細で優しい人なんだって事。
そして、私は、どうしようもなく歩太の事が好きなんだって事。
美月は黙って聞いてくれた。
「リカ、ごめんね。私、リカの気持ち、考えてなかったよね? よけいな心配だったよね? 」
美月はそう言うと、下を向いた。
「違うよ!私嬉しいよ。美月が私の事、心配してくれてるの、ちゃんと分かってるよ!」
美月は目に涙をためていた。
私は、美月に笑いかけ、親指でそっと、美月の涙を拭った。
「ありがとう。でも、私、この気持ち大事にしたいから」
美月は、「うん。」と頷いて、こう付け加えた。
「辛くなったら、ちゃんと話してね。私達、友達でしょ?」
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