光の射す方へ
私は、本当に幸せなのかもしれない。
自分の為に涙を流してくれる友達がいる。
私、歩太の事頑張るよ。
美月をがっかりさせない様に・・・。
簡単な気持ちなんかじゃないから。
私達は、先に着替えをして、圭太を待つ事にした。
更衣室を出ると、圭太が来ていた。
「圭太、昨日、ぶっちゃって、ごめんね。」
圭太は黙ったまま、俯いている。
そして、静かに口を開いた。
「リカちゃん、本当にアイツの事、好きなの?」
私は、小さく頷いた。
「そっかぁ。・・・ごめんな。
俺、ヤキモチ焼いてたんだ。
リカちゃんの事、・・・好きだったから。」
私は、ハッと顔あげた。
「でも、絶対に、言っちゃいけない言葉だった。
宝来には、・・・謝るよ。」
圭太が言った言葉は、絶対に許される事じゃない・・・。
歩太の心の中で、一生、傷として残ってしまうだろう・・・。
でも、いつか傷が癒える時がくる。
それは、誰かを愛した時。
誰かに愛された時。
必要のない人間なんて、いない・・・。
「圭太。歩太は私にとって、必要な人だから・・・。
圭太の気持ち、気づかなくて、ごめんね。」
私は、まっすぐに圭太の目を見た。
圭太も、目を反らさなかった。
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