地球の三角、宇宙の四角。
しばらく走り、長い信号待ちにつかまった時にかなくんは運転手に「ここでいいです」と、千円札を出して私の手を引いて車から出した。
ずっと考え事をしているような横顔をちらちらと覗き見しながら長い坂道を2人で歩いた。
坂道を進んでいくと竹藪があって、両脇にまっすぐに伸びた無数の竹に挟まれた道へと無言で誘導される。
かなくんを見ると、私に見られてることを気づいているのか気づかないのか、さっきからただまっすぐだけを見て歩いている。
両側を覆い茂る竹に挟まれた細かい砂利道を、じゃりじゃりと革靴とスリッパで進む。車一台通れるぐらいのまがりくねった道。
革靴はうっすらと白く汚れていって、私のスリッパには何度も小石が挟まった。
曲がりくねった道は、暫く歩くたびに薄暗くなっていき、そのたびに何度もかなくんの顔色を覗いた。
何回目かで、かなくんは気づいたのか目が合うと「ホラ、もうちょっとだから」と、前方を指差した。指先の向こうはかすかに緑色の幻想的な光がこぼれていた。
歩くたびに光は竹の隙間をくぐり抜けるような緑色のレーザービームのようにあたりを照らし、で、その発光源は何かというとなんてことはない悪趣味なラブホテルなのか、パヌチウクーニャン? と書かれた近代アートのような看板と泊まりと休憩の値段の書かれたプレートがあった。
入り口で足を止めたかなくんは、私のスリッパと自分の革靴を見てから、何か言おうとした言葉を飲み込むようにして少し頷いた。
ずっと考え事をしているような横顔をちらちらと覗き見しながら長い坂道を2人で歩いた。
坂道を進んでいくと竹藪があって、両脇にまっすぐに伸びた無数の竹に挟まれた道へと無言で誘導される。
かなくんを見ると、私に見られてることを気づいているのか気づかないのか、さっきからただまっすぐだけを見て歩いている。
両側を覆い茂る竹に挟まれた細かい砂利道を、じゃりじゃりと革靴とスリッパで進む。車一台通れるぐらいのまがりくねった道。
革靴はうっすらと白く汚れていって、私のスリッパには何度も小石が挟まった。
曲がりくねった道は、暫く歩くたびに薄暗くなっていき、そのたびに何度もかなくんの顔色を覗いた。
何回目かで、かなくんは気づいたのか目が合うと「ホラ、もうちょっとだから」と、前方を指差した。指先の向こうはかすかに緑色の幻想的な光がこぼれていた。
歩くたびに光は竹の隙間をくぐり抜けるような緑色のレーザービームのようにあたりを照らし、で、その発光源は何かというとなんてことはない悪趣味なラブホテルなのか、パヌチウクーニャン? と書かれた近代アートのような看板と泊まりと休憩の値段の書かれたプレートがあった。
入り口で足を止めたかなくんは、私のスリッパと自分の革靴を見てから、何か言おうとした言葉を飲み込むようにして少し頷いた。