地球の三角、宇宙の四角。

なぜ、どこにあるのかわからないこんな場所で抱き合っているのだろうか? かなくん仕事は? それよりも私の家は? なっとうは? お母さんは? 幸村さんは?

両手を繋がれたままベッドまで運ばれる。あふれる疑問は重なっていくばかりだ。

そのままゆっくりと寝かされて、かなくんは汚れたスリッパを脱がせてくれた。

「足が、冷たい」


そう言って足の裏を頬にあてた。

「きたないよ」

「はゆみに汚い部分なんてないよ」

親指の先にキスをされて、ガリッと噛まれた。

「いたい?」

そう訊いて少しだけ笑った後にネクタイを大きくゆるめてから、シャツのボタンをひとつひとつ開けていった。

そして、自分のTシャツの中にわたしの足を潜り込ませた。

「なに?」

身をよじれば、足首を掴まれる。

「ちょっと、じっとしてて」

と、足の裏を胸へ押し当てられた。

足の裏で心臓が動くのを感じる。とても温かくて、足の裏で鼓動を感じる。


「ね、どきどきしてるでしょ?」
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