地球の三角、宇宙の四角。
もしかしたら。

私だけの問題なのではないのだろうか。

あんなにもポンポンと場面が変わっていって混乱していたのに、今はポンポンと飛んでいってた事すら自分の過去に起こった事としてなるべく冷静に、記憶が飛びながらも私は、それなりに連続していたのだという事実として受け止め、納得し、確認していく。

今まであったことが少々順番が無茶苦茶であったとしても、時系列順で並べることで、安心がしたいのだ。自分以外には間違いを正せる他者なんて存在するわけがないし、同じ場所にいた彼ですら少女の姿も平純一の言葉を私とはこういうことがありましたねと共有も共感もできないわけで。

だから私は私だけが見たり感じたものだけを信じるということにして大事な物と大事ではない物混ぜこぜでも、なにもかもをシンプルに順番に起こった事だけを、そのまんまであることだけを意識しながらシンプルに頭の中に並べていく。

そのようにして記憶を辿り並べれば並べるほどに多分私は病気だ。ということを確信する。トランプの七並べを自分だけのルールで一人で遊んでるようなものだ。それを誰に話したところで、残念ですね非常に。という顔をされるだけだろう。それぐらいはわかる。だから多分まだ正気でいられているのだろう。その自覚症状まで失った時にはと考えただけで頭の中がぐしゃぐしゃになりそうだ。

完全に壊れてしまえば楽になるのかもしれない。

医者も「モノの順番がわからなくなる」と言っていた。それもわかる。それは認めよう。病気じゃないにしても元いた場所に戻ることは出来ないわけだし。たとえこれがよく似た別の世界であったとしても。もう、自分のチカラでどうすることもできない。まだギリギリの理性でそう納得させる事が今できる精一杯だ。

そう覚悟を決めて、このままで生きていこうと決断することができない理由も自分ではわかっている。平純一の余計な言葉を思い出して邪魔をするのだ。

そもそも、どうやって来たのかもわからないし。だから、どうやって戻るのかも当然わからない。

平純一は“戻れる”という。“全身麻酔を受けろ”と言った。

彼は私に何を話すのだろうか。






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