地球の三角、宇宙の四角。

「だけど、たとえば俺に何もなくったときに、はゆみが俺のことを、どんな風に見るのかという、そういう風なことを考えると正直こわいね」

言ったセリフに照れながらハンバーグを細かく切って食べていると、じっと見つめられているような気がして、照れ隠しにハンバーグを一切れ刺したフォークを口の前まで差し出すと、はゆみは首を振った。

味のしないハンバーグをぼんやり噛んでいると、はゆみの分の水とおしぼりが来てないこと気がついて、店員を呼んだ。

店員に、おしぼりを渡されて僕のグラスのコップに水を足そうとしたときに、グラスをもう一つと言った。

窓の外は天気が良いのにくらべて店内の空気は重く淀んでいるように感じる。

視界の色がどんどく暗くなっていき、気分が悪くなる。

視界が狭くなり、はゆみの口元しか見えず、その色のない口元がぼそぼそと動く。

「ごめんなさい」


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