地球の三角、宇宙の四角。
父親でも、お父さんでもパパでもない。
“とーさん”と呼ぶ幸村さんに、なんだろうか、この心の底からわきあがる感情は。
とても関心をした。くだらない、しょうもないことなのかもしれない。
ただの呼び方ではあるんだけど、ああ、この人の事が好きだなぁと、いよいよ思ったきっかけが、とーさんという呼び方だけというのも、あってもいい素敵なことではないだろうか?
“とーさん”
その語感を頭の中で反芻させながら味わう。
「ね、すごいでしょ! そのメガネー」
という言葉に、ふと我に返る。メガネをかけると人は、賢くなるのだろうか? 自分のキャラがメガネをかける以前とは、あきらかに違う。まるで人そのものが変わってしまったように頭がテキパキと回る。思考が早い気がする。気のせいだろうか。
「このメガネは、一体、どこで売っているのですか?」
ほしい、是非とも欲しい。このドラいもんの秘密道具のようなメガネ。
「うにゃぁー、そのメガネは売ってないのだ」
メガネの脱着にともなって、幸村さんの言動に以前との齟齬が生じている。つまりメガネある、なしによる効果が目の前で展開されているということか。
「売っていないということは、このメガネを、とー……いえ、、父上はどこで入手されたのですか?」
「とーさんは、町の発明家だよー。 トンデモな人なんさ」
と、幸村さんは、うつむきながらクチを尖らせて、ぼそぼそとしゃべった。
「町の発明家。ははは、私の知る限り、町の発明家ふぜいなんざ、精々ガムテープでメガネに望遠鏡をはりつけるのが関の山さ」
「だー。 かえせー。このー」
と、幸村さんがメガネを取り上げた。
「どう? すごいメガネでしょ? これ」
メガネを取り上げられた瞬間、視界には前髪と耳にかかる髪を整える幸村さんが、先ほどと比べてぼんやりと映り、脳が急ブレーキをかけたように思考と思考がぶつかり合い重なっていった。
文章の上に文章が重なり合い真っ黒になっていくように、頭の中を、ぐしゃぐしゃとさせた。
“とーさん”と呼ぶ幸村さんに、なんだろうか、この心の底からわきあがる感情は。
とても関心をした。くだらない、しょうもないことなのかもしれない。
ただの呼び方ではあるんだけど、ああ、この人の事が好きだなぁと、いよいよ思ったきっかけが、とーさんという呼び方だけというのも、あってもいい素敵なことではないだろうか?
“とーさん”
その語感を頭の中で反芻させながら味わう。
「ね、すごいでしょ! そのメガネー」
という言葉に、ふと我に返る。メガネをかけると人は、賢くなるのだろうか? 自分のキャラがメガネをかける以前とは、あきらかに違う。まるで人そのものが変わってしまったように頭がテキパキと回る。思考が早い気がする。気のせいだろうか。
「このメガネは、一体、どこで売っているのですか?」
ほしい、是非とも欲しい。このドラいもんの秘密道具のようなメガネ。
「うにゃぁー、そのメガネは売ってないのだ」
メガネの脱着にともなって、幸村さんの言動に以前との齟齬が生じている。つまりメガネある、なしによる効果が目の前で展開されているということか。
「売っていないということは、このメガネを、とー……いえ、、父上はどこで入手されたのですか?」
「とーさんは、町の発明家だよー。 トンデモな人なんさ」
と、幸村さんは、うつむきながらクチを尖らせて、ぼそぼそとしゃべった。
「町の発明家。ははは、私の知る限り、町の発明家ふぜいなんざ、精々ガムテープでメガネに望遠鏡をはりつけるのが関の山さ」
「だー。 かえせー。このー」
と、幸村さんがメガネを取り上げた。
「どう? すごいメガネでしょ? これ」
メガネを取り上げられた瞬間、視界には前髪と耳にかかる髪を整える幸村さんが、先ほどと比べてぼんやりと映り、脳が急ブレーキをかけたように思考と思考がぶつかり合い重なっていった。
文章の上に文章が重なり合い真っ黒になっていくように、頭の中を、ぐしゃぐしゃとさせた。