地球の三角、宇宙の四角。
慌てて飛んできたのは、またキツネ目の女だった。

この病院には、この人しかいないのだろうか、それとも専属とかそういうものなんだろうか。

痛む頭を押さえながら大丈夫ですと、親指を立てたり、両手で小さく丸を作ったりのジェスチャーで伝えてた。

さおりんとキツネ目の女の人はキョトンとしている。

紙と鉛筆。

なにか【モノを書いて伝えたい】

紙と何か書くモノが欲しいと、書く動作をしてジェスチャーで訴えた。

その動作を見て、さおりんは「なに? なに? しゃぶしゃぶ?」と心配そうに聞く。

さおりん! しゃぶしゃぶと違う!

大きく首を振って、もう一度書く動作をする。


キツネ目の女の人は、拳と手の平でポン! と、音を鳴らしてドアの向こうへ走っていった。

さすが、プロだと安心した。



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