地球の三角、宇宙の四角。
声が、どんどん小さく遠ざかっていく、無音になって、どれぐらいだろうか。

「きのした、はゆみさん」

私の名前だ。

「こんにちは、たいら、じゅんいちです」

平純一?

「そうです、しってるよね?」

は、はい。知っています。知ってますけど……。

「いま、きのしたさんが、どこにいるのか、わかる?」

え? いえ、わかりません。

「ぼくもうまくは、せつめいができない。にゃはは」

にゃははって何なんですか! にはははって!

「わからないものはわからないんだよ。わからないばしょにいます」

では、どうして、私に話しかけているのですか?

「うまくせつめいできないけど、しりたい?」

はい、知りたいです。


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