地球の三角、宇宙の四角。
「幸村さん」

暗闇の中で「とーさん」という幸村さんの笑顔がくっきりと浮かびあがってきた。

おっと、まぶしいな。
うまくいかなかったみたいだな。近いうちに、また会おう。君は僕と、とても似ているから。

さっきまでたしかにあったなにかが、いきなり消えた。

平純一だったのだろうか、わたしが生み出した平純一だったんだろうか。


「はゆみ、はゆみ」とわたしの名前を呼ぶ声がする。



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