地球の三角、宇宙の四角。
エレベーターの中に吸い込まれて、消えた。さっきまで一緒だった人が、いない風景は、とても冷たく感じた。

離れるというのは、こんなにも寂しいもんなのだろうか。

そのまま、部屋に戻るのが怖かった。

部屋に戻るとうるさい声や、見たくない物ばかり見えるような気がした。こうしてとじっとしているだけでも、なにか得体の知れない物が近づいてくるように感じた。

少し歩くことにした。

スリッパが床を鳴らす音がズレて聞こえてくる。反響だ。ただの反響。

私は走り出していた。考えたくないし何も感じたくない。行く当てもなく廊下を走った。
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