奇跡事【完結】
「あ。今日は宿にでも泊まってよ。僕の部屋は定員オーバーだから」
マヒアに戻る途中、そう言ったのはパチフィスタだった。
定員オーバー?
あの部屋は寧ろ、余ってるぐらいだったのに。
僕は昨日泊まったパチフィスタの部屋を思い出す。
「そうだな、二日続けて世話になるのも悪いし。
マヒアに俺はまだ滞在する予定だしな。お前達はどうするんだ」
「僕達は……。ねえ、カタラはここを出たらどうするの?」
「カノをこのまま放っておくわけにもいかないしな。
故郷まで連れていくつもりだ」
「故郷?カタラの?」
「ああ、そうだ」
「ねえ。私達も一緒に行っちゃダメかな、カタラ」
「サーシャ?」
突然、サーシャがそう言いだして、僕とキョウはサーシャの顔を見る。