奇跡事【完結】
「エレノアがあの魔力を解放したのだろう」
“その魔法具は最大限に魔力を呼び起こしてくれる存在だ”
そして、エレノアの手によってキョウの魔力は解放された。
僕にはさっぱりその違いがわからなかったけど、キョウは解放された後その力の強さを感じていたみたいだったし。
「キョウが道を違えないように、ルーイ。
お前が側についてやれ」
「違える?」
「何か嫌な予感がするんだよ。魔力解放にはどこか、エレノアの思惑がありそうでな」
「……」
「それにお前達をマークが匿っていた理由もわからない。
ただ魔力が強いだけ。それだけなら匿う理由にはならない。
パチフィスタみたく、強い魔導士は他にもいるんだ。数はいないがな」
「双子には強い魔力が宿るんだっけ」
「ああ、そうだ。双子は強い魔力を手にする。
だけどな、その人生は決して幸せなモノなんかじゃないんだよ」
「え?」
悲しそうに微笑むカタラ。
それは誰の事を言ってるのだろうか。
「知ってるか?双子は忌み子と謂われたんだ」
「忌み子?」
聞いた事がなくて、僕は首を傾げた。