奇跡事【完結】
「朝食を食べたら出る」
「そうだね」
カタラとキョウがそう話しているのを、僕はそんな事を考えながらぼうっと見つめていた。
それにサーシャが気付いて声をかけてくる。
「ルーイ」
「え?」
「またボーッとしてる。最近多いよ?」
「そう?」
「うん、多い」
「あはは、色々あったからかな」
「そうだけど。ルーイ、何か隠してない?」
「何かって何」
「私達に言えない事とかあるんじゃないの?」
「ないよ、そんなの」
「そう?」
「サーシャ」
ズイっと僕に近付き、尋ねてくるサーシャ。
苦笑いしてたところで、キョウがサーシャを呼んだ。
どう返したらいいかわからなかったから、キョウに助けられた。
ふうっと息をつく。