奇跡事【完結】


「運命には抗えないんだよ。そして、呪いにも、ね」

「呪い?」


それに、カタラの肩がぴくりと動いた。
怪訝そうな口調で尋ね返す。



「術者を殺さないと、その呪いは解けないんだ。
それだけ教えておく」

「……どういう意味だ?」

「わかんなくてもいいよ。きっと、その内わかるから」


それだけ告げると、パチフィスタはさっさと姿をその場から消した。
名前を呼ぶカタラの事を無視して。


パチフィスタがいなくなった後、僕達は暫く誰も口を開かなかった。
皆、俯きどこか思案顔で口を固く閉ざしている。


呪い。


“彼はね、もう数百年もの間。死にたいのに生きてるんだ。
不死身って憧れる人もいて聞こえはいいけど、ただの呪いだよ。一生消えない……ね”


パチフィスタがサーティスについて、こう言っていた。

ならば、サーティスにその“呪い”をかけた術者がいるってわけか。
その術者を殺したら、呪いは解けるってわけ?
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