奇跡事【完結】

僕達はマヒアを後にすると、カタラの後ろを付いていく。
また少し歩いて、港があるからそこから船に乗るらしい。


歩きながらカタラがそう教えてくれた。


ケーラとは違った意味で、訪れる人が少ないらしい。
それは単純に遠いからだってカタラは言っていた。


船で片道七日程かかるみたいだ。
それに船の出航も一日一度とかなんとか。


途中、休憩を挟みながら僕達は港に辿り着いた。


サーシャはカタラに海の事を色々尋ねていた。
僕の隣にはずっとカノがいて、ちょこちょこ会話はしていたけど。



「これが海!?」

「そうだ」

「すっごい!ひろーーい!!それに、カタラの言ってた通り、青くて凄く綺麗!」


キャッキャッとはしゃぐサーシャ。
その後ろで、僕も海に見惚れていた。


さざ波の音が心に静かに響いてくる。
僕の隣には相変わらず、カノの姿。


だから、僕はカノに話しかけた。
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