奇跡事【完結】


「ねえ、あれやって」

「また?」

「うん、だって好きなんだもん」

「はいはい」



俺はスっと手を顔の前に出すと、パチンっと指を弾いた。
その瞬間、パチパチと火花が散る。


初めてそれをプリルに見せた時、目をキラキラと輝かせてはしゃいでいた。


俺には何がそんなに面白いのか、わかんなかったけど。
それでも、プリルの笑顔は俺の心をどこか温かくさせたから。


だから、その笑顔を見る為ならいいか。
そう、思ったんだ。

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