奇跡事【完結】
「マークはな、自分がかけた呪いの残酷さに死のうとしたんだよ。
だけど、それを止めたのがその育ての親だったんだ。
死のうとするのを、怒って止めたんだ。
マークにはその人がいたから、きっと救われたんだな」
「……何それ、マークおじさんも、カタラも、……辛すぎるよ」
サーシャはまた声を震わす。
キョウが気遣うようにサーシャの肩に手を置いた。
「それはお前達もだろう?突然、大切な者の命を奪われたんだ」
「そう、だけどっ」
「……サーシャは優しいな。
お前のその、無邪気さや、優しさはプリルに似ているよ」
サーシャを見ながら優しくその目を細めると、カタラはくくっと苦笑した。
「まあ、プリルはそこまでお転婆ではなかったけどな」
「し、失礼なっ」
「あはは」
泣きながら怒るサーシャに、カタラは声を上げて笑っていた。
それを僕とキョウが困った顔で宥めるという、意味不明な構図の出来上がり。