奇跡事【完結】
「そうだね。マークの話をするんだったね」
ソアレは昔を思い出しているのか、遠い目をすると続ける。
「マークは捨てられたんだよ。
生まれてすぐね」
「えっ!?」
それに、僕達は目を見開く。
捨てられた?マークおじさんが?
ゴクリと生唾を飲み込むと、ソアレの言葉を待った。
「双子の力は強大なのは知っているだろう?
マークも例外じゃない。双子だという事実を知って、両親が育てる事を放棄したんだ。
赤子の姿で村の外に捨てられていたのを、私が拾ったんだよ」
「そんな」
あまりにも衝撃的な事実で、言葉が出ない。
マークおじさんは生まれてすぐに捨てられただなんて。
“知ってるか?双子は忌み子と謂われたんだ”
“望まれない子。双子はこの世に生まれ落ちた瞬間に、捨てられるんだ”
パチフィスタだけでなく、マークおじさんもそうだったなんて。