奇跡事【完結】
「それじゃあ、マークがケーラを作った話をしようか」
「作った?」
「ああ、そうだよ。マークはルーイとキョウを守る為に結界を張ったんだよ」
「ルーイとキョウを守る為?」
「そうさ。もちろん、サーシャ。あんたの事も守ろうとしたんだ」
前に僕はパチフィスタに聞いていた。
ケーラに魔法で結界を張ったのは守る為だと。
でも、誰から。
そこまでは聞いていなかった。
「私の事も?誰から守ろうとしたの?」
「それはだね…」
そうソアレが口にした時。
「そこまでだ」
酷く冷たい声が部屋に響いた。
ソアレの背後に突如現れた人物。
その人物はあの時の様に甲冑を身に纏っていた。
――――――――――温度のない瞳を持ったサーティスだった。