奇跡事【完結】


「私の気持ちが揺らぐ事はなさそうだから…その想いだけ、ルーイに知ってて欲しかった。
ルーイにまで秘密を作らせてごめんね」

「ううん」

「私の想いが成就する事はないけど、いいんだ。それでも。
マークおじさんを殺した相手との恋なんて、しちゃいけないんだ」

「……」


何も言えなかった。


その、愛するサーティスはサーシャを殺そうとしてるのに。
マークおじさんは知ってたのかな。

……サーシャとサーティスの関係。

きっと、知ってたんだろうな。


だから、隠していたのかな。
サーティスから守る為に。


魔力を封じ込めて、サーシャだとバレないように。



そんなの辛すぎるだろ。
好きな相手から殺される事実だなんて。


キョウ。
サーシャ。
二人は真実なんて知らなくていいよ。


僕が全て知るから。
だから、二人は傷付かないでいて。


何も知らないで、笑っていて。
守るから。
守りたいから。


< 180 / 446 >

この作品をシェア

pagetop