奇跡事【完結】
「私の気持ちが揺らぐ事はなさそうだから…その想いだけ、ルーイに知ってて欲しかった。
ルーイにまで秘密を作らせてごめんね」
「ううん」
「私の想いが成就する事はないけど、いいんだ。それでも。
マークおじさんを殺した相手との恋なんて、しちゃいけないんだ」
「……」
何も言えなかった。
その、愛するサーティスはサーシャを殺そうとしてるのに。
マークおじさんは知ってたのかな。
……サーシャとサーティスの関係。
きっと、知ってたんだろうな。
だから、隠していたのかな。
サーティスから守る為に。
魔力を封じ込めて、サーシャだとバレないように。
そんなの辛すぎるだろ。
好きな相手から殺される事実だなんて。
キョウ。
サーシャ。
二人は真実なんて知らなくていいよ。
僕が全て知るから。
だから、二人は傷付かないでいて。
何も知らないで、笑っていて。
守るから。
守りたいから。