奇跡事【完結】
……僕はエレノアにまた会いに行く。
今度は一人で。
もう、誰も傷つけたくない。
マヒアは相変わらずの賑わいだった。
お店がたくさんあったし、栄えている。
これがエレノアの恵みからきてるなんて信じられなかった。
あんなに非道な存在なのに。
「さて、パチフィスタはどこだろうな」
カタラが腕を組みながら、溜め息を漏らすと
「もう帰って来たの?」
背後から突然、そんな声がして僕達は一斉に振り向いた。
そこに立っていたのはパチフィスタだ。
相変わらず、何を考えているのかわからない笑顔を携えて。
「パチフィスタ!」
「何かあった。って顔だね」
「……ソアレが死んだ」
「ソアレが?ああ、そうか。もう不死身じゃないんだ」
「……サーティスにやられた」
「サーティス?」
パチフィスタの眉がぴくりと動く。