奇跡事【完結】

「邪魔だったんじゃない?」

「っ。そんな」

「だって、ソアレは全部知ってるんだよ?
デシーヴの一番近くにいたんだから」

「じゃあ、やっぱりケーラを作った話をソアレにされたくなかったから?」

「……そんな話、してたんだ」

「パチフィスタは知ってたの?マークおじさんがケーラを作ったって事」

「知ってるけど、知らないよ」

「何それ」

「作ったって事実は“知ってる”けど、どうして作ったかってのは“知らない”って事」

「……そうなんだ」


パチフィスタから、あの時のソアレの言葉の続きを聞けそうにないかも。
きっと、パチフィスタは本当に理由を知らないんだと思う。

だから、結界を解きたかったって内容にもハッキリとこれだって答えられないんだ。



「俺からも聞こう。
サーティスってのは何者なんだ」


カタラが鋭い瞳でパチフィスタを見る。
パチフィスタは人差し指を顎に置くと、口を開く。

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