奇跡事【完結】
「呪いに侵されて、闇に堕ちた人物ってとこかな」
「呪いだと?」
「うん。サーティスは不老不死なんだ。それに、不死身。傷を作ってもすぐに消え去ってしまう。
ソアレもそうだったでしょ?」
「ああ。だけど、それをかけたのは誰なんだ」
「そんなの一人しかいないじゃん」
「……エレノアか?」
パチフィスタはその瞳をゆっくりと細めた。
それから、ゆるゆると口角を上げていく。
「ふふ。せいかーい」
やっぱり、そうだったんだ。
前にそう思ったのは、間違ってなかったんだ。