奇跡事【完結】
それから、僕達はもう煤になってしまった僕達の村だった場所に戻った。
焦げた臭いと、血の臭いと。
横たわる、過去優しかった人達。
水溜りを作っている、血液。
「……っ」
それは、とても直視出来るモノではなかった。
顔を青くして、僕はそれを見ない様に視線を逸らす。
僕や、キョウ、サーシャの家にそれぞれ戻る事にした。
少しでも焼け残りがないかを確認する為に。
真っ黒になってしまった、僕の家。
決して広くはなかったけど、居心地がよくて気に入っていた。
この家は両親が僕に残してくれたモノ、らしい。
らしい、というのは直接親に聞いたわけじゃないからだ。
さっき、亡くなってしまったマークおじさんがよく僕に教えてくれた。