奇跡事【完結】
逢
その人達が用意してくれた宿に泊まる事にした俺と母親。
夜になり、母親と共に部屋にいた。
全て思い出した俺は、母親に聞きたい事があった。
布団に入り、灯りを消す。
シンっと静まり返る部屋。
どう、切り出せばいいかわからず天井を見つめていると、母親が俺を呼ぶ。
「サーティス」
「何?」
「魔法が使える事を思い出したんだね」
「……知ってたの?」
「知ってた、それは違うわ。私達はある人に教えてもらったのよ」
「ある人?」
「ええ。デスタンにいるマークという魔導士に」
「マーク!?」
それって、さっき船に一緒に乗っていた男か?
確かに納得だった。
あの魔力の深さだ。魔力を込めた魔法具ぐらい作れるだろう。