奇跡事【完結】
ルーイ、お前のお母さんはとっても綺麗な人でな。
お父さんは一目惚れだったんだぞ。
お父さんは強かったんだ。
そんなお父さんにお母さんも段々と惹かれていってな。
そうやって、話をしてくれた。
その話を聞くのはとっても好きだった。
僕は二人の顔すら覚えていない。
だから、周りの人の記憶だけが頼りだったから。
優しくて、強くて。
僕を愛してくれていた、両親。
それだけは僕の誇りだった。
どうしていなくなってしまったのかは、知らなかったけど。
そこだけはマークおじさんも教えてくれなかったんだ。