奇跡事【完結】
笑
「……はあっ」
どれだけ歩いただろうか。
かなりの日数歩いた気がする。
それでも、俺はただ真っ直ぐに東へと向かった。
闇雲に歩いたって無駄なのはわかってる。
だけど、どこにいるかなんてわからない。
それなら探すしかない。
マヒアから東に真っ直ぐ向かい最初に辿り着いたのは洞窟だった。
この奥にもしかしたらいるかもしれない。
俺は近くに生えていた木の枝を折ると、それに火を点けた。
中へと足を踏み入れた俺は辺りを照らし出した。
薄暗い。奥は真っ暗だ。
特に何も見当たらない。
行き止まりじゃないといいが。
ゆっくりと慎重に進んで行く。
暫く奥まで歩いていた。結構深い場所まで来た気がする。
だけど、出口は一向に現れない。
「あれー君、誰?」
突然、そんな声が頭上から降って来た。