奇跡事【完結】
「知ってるよ。妹に会う為でしょ?」
「っ!?」
こいつは何を知ってるんだ?
知ってるのはエレノアだけじゃなかったのか?
もしかしてあの場所にいたのか?
どんどんと疑問が浮かんでくるが、それが表に出る事はない。
ただパチフィスタから視線を逸らす事が出来ずにいた。
パチフィスタは目を細めると、口を開く。
「東にいるって言われたんでしょ?そうだね。マヒアから東に来たらここ通るよね」
「……」
「納得。それじゃどうぞ、通って。もう少しで出口見えるから」
「お前は知ってるのか」
「何を?」
「……俺の妹を」
「知ってるけど知らないよ」
知ってるけど、知らない?何だそれは。
それじゃ答えになどなっていない。