奇跡事【完結】
「君の妹が東にいるって事だけ知ってる」
「いるって、生きてるのか?」
「うん。生きてるよ」
「……それは確かなのか?」
「そうだね。詳しく知りたいならエレノアに聞いたらいいんじゃないかな」
「エレノアが教えてくれると思うか?」
「あはは。教えてくれないだろうね~」
「……そうか、生きてるのか」
「もっと知りたい?」
「いや、いい。生きてる事さえわかれば十分だ」
今までそれすらもわからずにいたんだ。
生きてるとわかれば、それは目指す糧になる。
「ふうん、そう」
パチフィスタは少しだけ不満そうだったが、
「会えるといいね、それじゃ~ね」
と手を振るとその場から一瞬で消え去った。