奇跡事【完結】


「……」

「綺麗でしょ?星空」


俺の隣に立つと、サーシャが夜空を見上げた。
それに倣うように俺も顔を上げる。


「これは見事だ」


ここは空気が澄んでる。だからか。
俺が今まで見た中で一番綺麗だった。



「サーティスは何で旅してるの?」


ふいにぽつりとサーシャが呟く。


「……妹を探す為だ」

「別れちゃったの?」

「ああ、東にいるって事だけ聞いた」

「……会ってどうするの?」

「それは」



会って、どうするんだ。
ただ、一目会いたい。
その想いだけでここまで進んできたけど。


そんなの考えた事もなかった。
< 287 / 446 >

この作品をシェア

pagetop