奇跡事【完結】
「おかえりなさい!」
「……ただいま」
ニコニコしているサーシャは俺から視線をトライシオンに移す。
少しだけ体を屈めて、トライシオンの顔を覗きこんだ。
「初めまして!私はサーシャ。貴方は?」
「あ、トライ…シオンです」
「トライシオンね!素敵な名前。よろしくね」
「……う、うん」
少しだけ頬を染めたトライシオンは、顔を俯かせる。
「色々聞きたい事あるけど、とりあえずおうちに行こうか!」
「邪魔しても大丈夫か?」
「当たり前でしょ!行こう!」
サーシャは背筋を伸ばすと、エヘンと小さく咳払いしてハッキリと口にした。
先に歩くサーシャの後ろを俺とトライシオンは付いて行った。
家に到着してからサーシャはすぐにハーブティーを入れると、尋ねてくる。