奇跡事【完結】
「サーティスでいっぱいにして欲しい」
「……」
「その、口付けして…欲しいかなって」
「……っ、」
恥ずかしそうに視線を伏せるサーシャの唇に荒々しく自分の唇を押し当てると、そのまま押し倒した。
月明かりに照らされ、桃色に染まる頬が映し出された。
「……サーシャ、全てを俺のモノにしていいか」
そっと、その頬に手を当てる。
サーシャは俺を見つめると、ニッコリと微笑んだ。
「うん、サーティスになら全てあげる」
その笑みにつられるように、俺も目を細める。
それからゆっくりと顔を近付けた。
その夜、俺はサーシャを更に愛しいと感じ、更に守りたいと思った。
何があっても、彼女だけは。