奇跡事【完結】
望
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サーシャ。
俺が妹に会いたいと願い、旅に出てしまったから。
だから、出会ってしまった。
本来なら会える筈なかったのに。
どうして、惹かれた相手がサーシャだったのだろうか。
なんの障害もなく関係を続けて、ゆくゆくは結婚をして幸せな家庭を築くと信じて疑わなかった。
そうだと思っていた。
ゆっくりと目を開ける。
長い事眠ってしまってたのだろう。
もう辺りは明るくなって来ていた。
……サーシャ。
愛しい人の顔を思い出す。
浮かんできたのはやっぱり笑顔で、それを思い出す度に胸が痛んだ。
それでも、どうしても。
サーシャが好きなんだ。
これだけは、どうしたって変えられない。