奇跡事【完結】
サーシャも、キョウも。
静かに涙を頬に伝わせていた。
そして、僕も。
それから、ゆっくりとお互いの手に自分の手を重ねる。
その温もりが僕達が生きてるって事を示していた。
絶対に生きよう。
そして、サーティスを倒すんだ。
それだけが僕達の今を生きる“希望”だったんだ。
僕は何も知らなかった。
僕が生きる意味も。
僕とサーティスが出会った意味も。
今までに何が起こって、何があったのか。
知らなかった。
……いや、知らされていなかったんだ。
復讐とは、どういう事なのかも。
人を殺すという行為がどういう事なのかも。