奇跡事【完結】
「僕は楽しく生きていたいんだ。
一人が好きだけど、楽しい事は好き。
一人だと楽しい事はないからね」
「……」
「サーティス。僕は君が好きだよ。
日に日に強くなるし、段々と黒く染まってる。
こんな楽しい事はないでしょ?」
「……帰る」
「ええっ?帰っちゃうの?」
俺は引き止めようとするパチフィスタを無視して、自分の家へと戻った。
一人になってやっとはあっと息をついた。
サーシャがいるとわかって、気を張っていたらしい。
肩の力を抜くと、ベッドに腰を下ろした。
ここにいれば大丈夫。
サーシャを手にかける事はない。
ホッとしたお陰か、俺は段々と瞼が重くなるのを感じてそのまま意識を手放した。