奇跡事【完結】
聞こえていたの。
植物の声や、動物の声が物心ついた時から聞こえていた私には。
“キャハハ、カレノア死ンダ死ンダ”
“次ハ誰ノ番ダ?”
“殺シタノハ誰?”
“決マッテル。ソンナノ、決マッテル”
“急ニ怖クナッタ両親ガ殺シタ”
“殺シタ!殺シタ!”
妹?
誰?
父親?
母親?
殺し、た?
“キャハハ”
“クスクス”
“アハハハ”
うるさいうるさいうるさいうるさいうるさい。
五月蠅い、煩い、五月蠅い!!!!!!
――――ウルサイ。
ビジョンが頭へと流れ込んでくる。
そこに映ったのは私の妹。
両親が、私とそっくりの妹に手をかける姿が見えた。
“それとも、双子を忌み嫌った世界?”
「うるさいっっ!!!!!」
何か、突き破った感触が手に残る。