奇跡事【完結】
「俺の気持ちは変わらない。
それとも、ルーイ。君は俺と剣を交える事が出来るのか」
「何でそんな事しなくちゃならないんだよ」
「それは必然な気がするからだよ」
「僕にはわかんない」
「きっと、その内わかるよ。魔力を解放したのだから」
「……血の繋がった兄弟なのに」
「そんなもの。なくたって、俺はずっと家族だと思っているよ」
「それじゃあ」
「それでも、ルーイとは一緒にいられない」
「……」
きゅ、と下唇を噛む。
わかっていた。もうキョウは僕と一緒にいる事を選ばないと。
だけど、悪あがきしていたんだ。