奇跡事【完結】
最後の命
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「ちゃんと前見て!下!」
「えっ、う、嘘でしょ?うわああっ」
目の前にあった岩に躓き、叫び声と共にパチフィスタが地面に倒れ込んだ。
手に持っていた全ての山菜をぶちまけて。
「ああああ、もう!」
「いった~~い」
「全部ぶちまけるとか、全て拾えよな」
「キョウ、冷たい!僕、ケガしてるんだよ!」
「そんなの治せるだろ」
「何度も言うけどね。治せたって痛いモノは痛いんだ!」
「あー、そこまで。二人とも仲良く」
言い合いになった二人の間に割って入ると、二人は僕の顔をまじまじと見つめた。
その視線に僕は少したじろぐ。
「な、何」
「ルーイに諭されるとか、僕なんか許せない~」
「珍しく気が合うな」
「だよね、キョウ」
「はあ!?」
失礼すぎるだろ!こいつら。
僕は二人に無言で電撃を喰らわすと、黙って地面に散らばった山菜を拾った。