奇跡事【完結】
「ルイードと、ルーイって名前が似てるよね。
意味があるのかなあ」
「確かに似てるね」
キョウも腕を組むと、頷く。
僕はもうへとへとでそんな事を考える気力すらなかったけども。
確かに、似てるっちゃ似てるな。
でも、似てるだけだと思うんだが。
カタラはぴたりと足を止めると、僕達の方を振り向いた。
「今日はここで休むか。
この森を抜けたらマヒアはすぐだ。
明日には到着するだろう」
辺りは段々と薄暗くなって来ていたし、僕の体力も限界だったから、その言葉はとっても助かる。
僕はすぐに地面にへたりこんだ。
「まったく、情けない!ルーイ!」
「皆が凄いだけだって」
「あはは。サーシャ。まあまあ」
サーシャがぷりぷり怒るのを、キョウが宥める。
カタラは近場で枝を集めて来ると、それを地面に置いてさっき見せた魔法で火を点けた。
パチパチと音を鳴らせながら、枝が燃えていく。