奇跡事【完結】


「はっ!?どこ、ここ」


最初に驚きの声をあげたのはサーシャだ。
恐怖からか僕とキョウの腕を掴んでいる。



「僕の家っ」


ルンルンとしながら、椅子に座ると僕達を見るパチフィスタ。



「適当に座って」



そう言うと、彼は僕達の前に椅子を出現させる。
これも魔法なのだろうか?



「……魔力の無駄遣いをするな」

「いいじゃーん。別にそんな大した魔法じゃないし」

「その魔力を別に使って欲しいよ、俺は」

「他って何ー。例えばー?僕は僕さえ楽しかったらいいの」

「はあ、本当にこいつは」


それから、カタラが尚も立って固まっている僕達に気付く。


「座って大丈夫だ」


それに頷くと、僕達は恐る恐るだったけどその椅子に座った。
椅子は普通の椅子で、安心した。

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